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have には過去分詞を伴っていわゆる「現在完了形」をつくるはたらきがあります。 ここでは have が 「 have + 過去分詞 」 の形をとるとどんなはたらきをするのかを考えます。 と聞いたとたんあなたは、頭のどこかで「難しそう…」と思ったのではありませんか? そうです。「現在完了形」と聞くだけで何か抵抗感を覚えます。 中学校でも多くの生徒が苦戦するところですね。 さて、現在完了形の説明を参考書風にするとこうなります。 「現在完了形とは過去の行為が現在に影響している場合に用いる表現で、< have + 過去分詞 > の形で表現します。用法としては 継続・経験・完了・結果があります。」 う〜ん、なんとなく英語嫌いになりそうですね。 まず「現在完了形」や「過去分詞」という言葉が堅苦しくてなじめない感じです。 これらはもともと日本語にはない分野なので無理もありませんが。 ではいったい現在完了形とはどんな時に使いどんなはたらきをもっているのでしょう。 現在完了形は 「 have + 過去分詞 」 という形をとるのですが、そもそも過去分詞とは何かを見てみましょう。 【過去分詞って何?】 まず、この絵を英語で表現するとどうなるでしょう。ちょっと英語を頭に思い浮かべてください。 日本語では@「折れた鉛筆」、A「鉛筆が折れている。」 と表現できます。 これを英語にすると@ a broken pencil A A pencil is broken. となります。 つまり、英語ではそれぞれ 「折られた鉛筆」 「鉛筆が折られている」 と発想します。 ここで使われる broken が過去分詞と言われるものです。 ※ break broke broken この broken は過去分詞ですが、この場合はたらきは形容詞と全く同じです。 「A green pencil 緑色の鉛筆」 「This pencil is green. この鉛筆は緑色だ。」 の green と同じ使い方ですね。 つまり過去分詞とは動詞の過去形からつくられた一種の形容詞で、もともと「受け身」・「完了」・「結果」などを表す言葉なのです。 鉛筆は決してひとりでに折れたりはしませんね。誰かに、または何かの力によって折られたのです。その作用が完了し、結果としてという状態になったのです。 焼き魚は grilled fish (焼かれてしまった魚)、ゆで卵 a boiled egg (ゆでられてしまった卵)、中古車はa used car (使われてしまった車) となります。 「受け身」は「〜された」ということですね。「完了・結果」とは、ある行為が完了しその結果ある状態になったということで、いずれも過去の行為が基底にあります。 (「過去分詞」とは「過去形」から「分かれ出たことば(詞)」という意味です。) ただし、全ての過去分詞が「受け身」・「完了」・「結果」の意味を含んでいるわけではありません。 例えば gone ( go- went- gone ) に受け身の意味はありません。「行かれた」なんてヘンですね。 それはもともとgo (行く) が受け身をつくる動詞ではないからです。walk/run/swim などもそうです。 受け身の意味がない過去分詞は「完了」・「結果」を表します。 She is gone. 彼女は去って行った。 この文は、「彼女は行ってしまって<完了>、今ここにいない<結果>」、ということを表しています。 また、「彼女がいない」という状態を表している、と言ってもいいですね。 この場合、gone のはたらきは完全に形容詞です。 I am surprised at the news. その知らせに驚いている。 ※「私」は「その知らせ」に驚かされてその結果今驚いているわけです。 This shop is opened. この店は開いている。 ※「この店」は誰かに開けられその結果今開いているわけです。 このように、「過去分詞」 とは、「ある行為が完了しその結果生まれた状態を表す言葉」、というように理解して下さい。 【現在完了形って何?】 過去分詞がどんなものかがわかると、現在完了形の理解の助けになります。 もう一度この例文を見てみましょう。 This shop is opened. この店は開いている。 これは単に今店が開いているという状態を表現したいだけです。 では、この店が24時間前に開いて、「現在」までずーっと開いているということを表現しようとします。 このとき登場するのが現在完了形です。 ● This shop has opened for 24 hours. この店は24時間ずーっと開いている。 (だから今も開いている) isの代わりに have(has) を使うことで「ずーっと」という過去から現在までの<継続>の感じが出てきます。24時間前という過去に起きた「店が開いた」という状態が現在も続いているというわけです。 他の例を見てみましょう。 I lost my red umbrella. 私の赤い傘をなくした。 ※ lose lost lost この文は単なる過去の文で、その後傘が見つかったのか現在もないのかはわかりません。 そこで「今もない」、ということを言いたいとき現在完了形を使います。 ● I have lost my red umbrella. 私の赤い傘をなくしてしまった。(だから今その傘はない) have と過去分詞のlost を使うことで「失われてしまって今はない」 という<結果>が表現されます。 ● I have just finished my homework. 宿題ちょうど終わったところだ。 (だから今はしなくていいぞ。他の事ができるぞ。) have と過去分詞のfinished を使うことで「してしまった」という<完了>が表現され「今」の状況が連想できます。 このように、現在完了形は過去に起きたことが「今」どうなんだ、ということを表すときの表現法なのです。 ですから、現在完了形は “過去の出来事が今どうなんだ形” とでも考えましょう。 現在完了形って結局一種の現在形ですね。 Spring has come. 春が来た。(だから今春だ。) She has gone. 彼女は行ってしまった。(だから今彼女はいない。) ※She is gone. は「もう彼女は戻ってこない。」 というニュアンスがありますが、She has gone. はとりあえず彼女は行ってしまってここにはいない、という感じです。 I have lived in Sapporo since 1985. 1985年以来ずーっと札幌に住んでいる。 (だから今も札幌に住んでいる。) I've been busy for two weeks. 2週間ずーっと忙しい。(だから今も忙しい。) ここで次の文を考えて見ましょう。 ● I have been to America before. 以前アメリカに行ったことがある。 いわゆる<経験>を表す現在完了形です。 ではこの文は「だから今はどうなんだ」、という部分では何が表現できるのでしょう。 仮にあなたとあなたのお母さんにアメリカ滞在の経験があるとします。 そしてあなたがある外国人と会話をしていたとします。 場所は日本のどこかで会話の場にお母さんはいません。 あなたがその外国人に, My mother was in America. 「母はアメリカにいた。」 と話したとします。 この文は単なる過去のある時点のことですから、今お母さんがどこにいるのかさっぱりわかりません。 あなたが、My mother has been to America. 「母はアメリカにいったことがある。」 と現在完了形で話したとすると、今度は言外に「だから母は帰ってきて今日本にいる。」 というニュアンスが出てきます。 では、次にあなたが I have been to America. 「私はアメリカにいったことがある。」 と現在完了形で話したとします。 話している所は日本なのですから、あなたが「今」日本に帰ってきていることは言うまでもありません。「行ったことがある」という経験だけを伝えたいのなら、I was in America. と単なる過去表現でもよさそうです。 ただし、 I was in America. という表現は、Where were you then ? (その時あなたはどこにいましたか。) という質問に対する答えのような感じがします。 やはりここは現在完了形がぴったりです。 あなたが I have been to America. と表現することで、「だから今、私はアメリカについて多少なりとも経験に基づいて知っている」 といった感じが出てきます。当然相手の外国人もあなたのアメリカ滞在について色々と質問をすることでしょう。しばらくはこの話題で会話が続くはずです。 ここで覚えておきたい「経験」の重要表現を見ておきましょう。 Have you ever been to Kyoto? 京都に行ったことがありますか。 Yes, I have./ No I haven't はい、行ったことがあります。/いいえ、行ったことがありません。 Have you ever seen Mt.Fuji? 富士山を見たことがありますか。 No. I've never seen Mt.Fuji いいえ。富士山を1度も見たことがありません。 いかがでしたか。 have については以上です。 「超基本動詞」、次は get です。 Home |